海の町で経験する台風

令和2年9月2日(水)の夜から翌朝にかけて近づいた台風9号、9月7日(月)の未明から午前にかけて近づいた台風10号。月が替わってから続けて二つの台風が近くを通過していきました。
夏の終わりから冬の初めくらいにかけて日本列島を襲う台風。発生することは珍しいことではないし、上陸することもこれまで毎年のように経験してはいますが、昨年萩市に引っ越してからは「山の町」ではなく「海の町」で台風と向き合うことになりました。それも関東地方から中国地方へ移りましたので、私の過去の経験とは状況が異なります。
台風9号は、夜寝る頃から風が強くなり、時おり建物が大きく揺れるような強風や、浴室の換気口から流入してくる風が羽を回転させる音などに神経が高ぶってしまい、横になって目を閉じていたものの眠れた気がしないまま時は過ぎ、少しでも気を紛らわそうと夜明け前からラジオを聞いていました。天候は比較的早く回復し、外出の際にいつも目にしている船着き場を見ると、これまでに見たことのない潮位に驚きました。水が陸地に上がっているではありませんか。ちょうど満潮時刻に近かったこともありますが、この日は大潮であり、さらに台風の力による海面の上昇が重なったようです。いつも比較的静かな湾内で、自然の力を目の当たりにしました。

台風の接近による航空機や鉄道そして高速バスや市営バス運休の判断、さらに公共的な施設の臨時休館の対応もとても早いと感じています。これについては、関東よりも強い勢力で近づくことが多いからこそだろうと思います。特に過去最大級の勢力になると言われた台風10号に関しては、当然のことながら不安感と緊張感に包まれていました。道の駅も休業、スーパーやガソリンスタンドも休業や時間短縮営業、近くのコンビニエンスストアでも丸一日程度休むという貼り紙を目にしました。私が勤める会社も臨時休業でした。多くの家で窓ガラスに養生テープが貼られていたことも、今の私には印象的な光景として目に焼き付いています。
幸いにして、私が住んでいる周辺では大きな被害はなかったように見受けられ、台風が遠ざかるとともに日常の動きが再開されていきました。しかし、沖縄や九州など各地で様々な被害が報告されています。人命も奪われています。そして台風シーズンはまだ続きます。普段は美しい海、緑豊かな山、情緒ある古き町並み、そうした場所を訪ねて取材していますが、「暮らす」ということは楽しむことだけではありません。困ったことや苦労したことなども含めて、記録に残しておくことも大切だと思いました。
